窓辺の少年

(発生時期:1年目4月4日 好感度条件:なし 発生条件:必ず発生する)
プロローグ参照。

人気者

(発生時期:1年目4月18日 好感度条件:なし 発生条件:必ず発生する)

スチル
(なんだか人だかりが出来てる……有名人でもいるのかな?)
ゴメン。ホント、もうそろそろ行かないと。
(あ、佐伯くんだ……。)
女生徒A「えぇ〜!もうちょっと、いいでしょ?
ゴメンね。今日はちょっと家で用事があるから。
女生徒B「ダメェ!佐伯クン、こないだもそう言って付き合ってくれなかったじゃん!
ハハ……そうだっけ?あ、そうか、今日は予備校だった!
女生徒C「ズル〜イ!そんなの見え見え〜!
(わぁ……女子に囲まれちゃってモテモテだ。マンガみたい…。)
参ったな……。
佐伯くん!
アッ!やあ、君も今帰り?
う、うん、そうだけど。”君”って……。
じゃあ、送っていくよ。道、まだわからないんでしょ?
女生徒A「そんなのズルイ〜!私たちも送ってぇ!
ほら、彼女、家が近所なんだけど、越してきたばかりで、まだ道がわからないって言うから。
ううん、もう大丈夫だよ!
…………まだわからないって言うから。
え!?あの、え〜と、そ、そうだっけ……。
行こうか?ちょうど僕も帰るところなんだ。
(”僕”だって……。)
女生徒B「もう!佐伯クン優しいんだから〜!
女生徒C「わたしも佐伯クンの近所に引っ越そうかなぁ〜。
み、みんな、ごめんね?
(うぅ、みんなの視線が痛い……。)

帰り道
助かった。学校でグズグズしてたら、開店時間に間に合わないからさ。
そっか、佐伯くん、お店が忙しいもんね。それにしても……モテモテだったね?
ウルサイ。
あ、照れてる。でも、どうしてお店のこと隠してるの?
学校ではヒミツなんだよ。ウチの店、夜遅いから問題あるし。それに……。
それに?
ゼッタイ成績に影響が出ないこと。学校では問題を起こさないこと。店を続ける条件なんだ。
条件って、両親との約束とか?
まあ、そんなとこ……いけね、俺、急がなきゃ!じゃあ!
(佐伯くん、大変なんだ……)

営業スマイル

(発生時期:珊瑚礁初出勤時 好感度条件:なし 発生条件:珊瑚礁でバイトをする)

自室
(アルバイト募集のメールだ……喫茶店かぁ。あれ?"珊瑚礁”ってどこかで……)
(あ、急募って書いてある!すぐ返信しないと間に合わないかも……どうしよう。)
『返信して応募する』『応募しない』
(応募してみよう!……送信、っと。)
(いい返事が来るといいな。)
(さっそく喫茶店から採用の連絡がきた。)
(申し込み間に合ってよかった。よーし、がんばるぞ!)
珊瑚礁
(……もしかしたらって、思ったけど、このお店、入学式の朝の……ってことは……)
いらっしゃいませ。喫茶珊瑚礁へようこそ。
あ、やっぱり!佐伯くん!
1名様でよろしいですか?お席へご案内いたします。
あれ?佐伯くんでしょ?
…………。
ねぇ、佐伯くんだよね?
ちょっと、ツラ貸し──いえ、よろしいですか?

なんで店に来た?
わたし、今日からここでバイトすることになって……
なんでよりによってウチなんだよ?バイト先なんていくらでもあるだろ?
だって、わかんないよ!求人情報で応募したんだもん!
帰れ。
そんな!
「こんにちは、アルバイトの方ですね?
あ、はい!○○ ☆☆です。
「よろしくお願いします。この店のマスターです。あぁ、瑛の祖父でもあります。
そうなんですか……じゃあ、わたし何て呼べば──
店ではマスターって呼ぶんだ。公私混同はダメだ。
「だ、そうです。じゃあ、マスターにしておきましょうか?
はい、よろしくお願いします!
よろしくない!帰れよ!
「これ!女の子に何て口の利き方するんだ、お前は。
だって、学校の奴なんだ!それにボンヤリだし……絶対、店のこと学校にバラしちゃうよ!
わたし、バラしたりしないよ?
「まあまあ、やれるところまでやってみるさ。
無理。絶対バレる……。
バレない!
「いい加減にしなさい、二人とも。さあ、店に入った入った。
(よーし、がんばるぞっ!)
「じゃあ、さっそくで悪いけど、瑛を手伝ってやってください。
佐伯くん、よろしくね!
…………。
あの……怒ってる?
オーダーとるから、付いて来い。
は、はい!
スチル
お待たせいたしました。お決まりですか?
お客A「あのっ、このお店のオススメってなんですか?
珊瑚礁ブレンドになります。コロンビアベースで少し酸味がある、マスター自慢のブレンドです。
お客B「あ、わたしそれ!
(佐伯くん別人みたい……。学校に居るときとも違ってすごく大人っぽいし……。)
お客A「わたし酸味があるの苦手で……。
それでは……ブラジルブレンドはいかがでしょう?
お客A「えっと、それってどんな……
爽やかな口当たりで、きっと気に入っていただけると思います。僕がブレンドしました。
お客A「それ、お願いしますぅ♡
かしこまりました。
(お客さんにモテモテ。カッコいいもんね……。)
(あ、スプーンが!)
そのままで結構です。すぐ、新しいのをお持ちしますので。
(一瞬でフォローした!しかも爽やか……。)
珊瑚礁
…………。
すごいね、佐伯くん!バイトっていうよりプロって感じ。同い年とは思えないよ。
オーダーお願いできますか?
えっ!?あ、はい!え〜と、バニラアイスと……
トレイ、ください。
は、はい。どうぞ。あ。あ、痛っ!
ボケッとすんな。
(うぅ、お盆で……。)

チョップ!!

(発生時期:春 好感度条件:普通以上 発生条件:繁華街でデート)

繁華街
(それにしても遅いな!忘れちゃったのかな……あっ!)
(やっと来た……けど。ずいぶん、のんびり歩いてるな。)
(あ、欠伸した。急ごうとか、そういう気はまるで無い、と。)
(よぅし!ちょっと、隠れて後ろからおどかしてやろう!)
(来た来た!)
(あれ?)
どうかしましたか!?具合が悪いなら、救急車を!
あ、いえ!なんでもないんです!ちょっと、友達をおどかそうと──
ほぉ。
スチル
痛っ!
100年後にもう一度挑戦してみろ。行くぞ。
(うぅ……やっぱり佐伯くんの方が一枚上手みたい。)

プロの手際

(発生時期:1年目の文化祭 好感度条件:普通以上 発生条件:珊瑚礁でバイトしている/文化祭1年目のクラス出展に参加)

文化祭
(ふぅ。大繁盛なのはうれしいんだけど……ちょっと混んできたな。)
(どうしよう……。このままじゃ、お客さん回しきれないかも……。)
☆☆。なにキョドってんだ?ハムスターか、おまえは。
あ、佐伯くん!うん……ちょっと、人手が足りなくて。
人手は足りてる。手際の問題だな。これじゃ、何人いたって回らない。効率、悪すぎだ。
う〜ん……そうだ!佐伯くん、ちょっと手伝ってよ。
ゴメン、ほら僕、お客だから。ホットコーヒー1つ下さい。
ケチ!佐伯くん、プロなんだから、こんなのお手の物でしょ?
わっ!バカ!
ね!ほら、奥にエプロンあるから!
おまえな……。
スチル
オーダー。ホット1。
はーい!
ついでに3番テーブル下げてけ。あと、皿洗いは二人でやるなって言っといて。
はいはい!
お客A「見て、プリンスがいる!カッコいい〜v
お客B「ウェイター姿、決まってる〜vね、ね、なんか飲んでいこう!
いらっしゃいませ。ただ今、お席までご案内します。
(さすが、佐伯くん……オーダーがどんどん片付いてく。)
文化祭
ふう……一段落だな。
おかげさまでなんとか切り抜けられたよ。ありがとう、佐伯くん。
まあな。俺に仕切らせたらざっと、こんなもんだ。ああ、疲れた……。コーヒーくれ。
は〜い!ホット、ワン、1リッチになります!
取んのかよっ!

気になる……

(発生時期:秋 好感度条件:普通以上 発生条件:ショッピングモールでデートする)

ショッピングモール
(わぁ、トイレさがしてたら、道に迷っちゃった……佐伯くん、怒ってるかな?)
(え〜と、佐伯くん……いた!ん?)
スチル
(あ、髪、直してる!)
(へぇ……普段、無造作っぽくしてるけど、結構、気を遣ってたんだ……。)
!?
ショッピングモール
お、おぅ!遅かったな。
お待たせ!佐伯くん、今日も髪型、キマってるね?
……なんだよ、急に?
あ、とぼけてる。今ウインドウ見て、髪直してたでしょ?ちょこちょこっと。
……してない。
ウソ!見ちゃったよ!
してないったら、してない。
あれ?後ろの方、まだちょっと跳ねてるかも。
どこ、マジで?
ううん、ウソ。
…………。
ね、ねぇ……なんか目が恐いよ。
今からおまえの髪を再起不能なまでグシャグシャにする。
わぁ!ゴ、ゴメンッ!

つかの間の休息

(発生時期:6月〜7月/平日 好感度条件:友好以上 発生条件:好感度条件を満たす/バイトのない日)

校内
(よしっ、一番乗り!うーん、気持ちいい!)
(さて、お弁当食べようっと♪)
(……あれ?誰かいたのかな……。)
スチル
(佐伯くん!?)
……。
(びっくりした……すごいカッコだけど、寝てるだけみたい。)
佐伯くん?
……。
(よく寝てる……。そうだ!この機会にいつもの仕返しを──)
……。
(無防備に寝てるな。安らかな顔しちゃって……でもちょっと、可愛いかも。)
……。
(いつも機嫌悪そうにしてるけど、それは、忙しいからだもんね。……そっとしてあげよう。)
…………ん?
校内
……………。
佐伯くん、よく寝てたね?
……今、何時?
お昼休み。もうすぐ午後の予鈴が鳴るとこ。
……いけね、ホースラディッシュとブラウンシュガーだ。
???
ウェハース3ダース、ジャージ。体育館履きは……何ダースだっけ?
佐伯くん……ひょっとして、寝ぼけてる?
ハッ!昼休み終わり!?
う、うん。
化学準備室、行かなきゃ!
……っと、寝癖、大丈夫?
う、うん、大丈夫かな?
どっち!?
大丈夫!
遅い!
痛っ!
もうっ!”可愛い”は取り消しだ!

急な呼び出し

(発生時期:8月1日〜3週目/平日 好感度条件:友好 発生条件:バイトのない日)

もしもし、俺。
なぁ、おまえ今日も暇だろ?天気いいし、海日和だし、これから浜に来ないか?
……ちょっと引っかかるけど。いいかも!
決まり。じゃあ、急いでな。水着、忘れんなよ?
忘れないよ!だって海に行くんでしょ?
ハハハ。
……?
言っとくけど、スクール水着とかいうボケは無し──いや、今時はかえってそういうのも……。
???
とにかく、早く来いよ。あ、ほら、じきにビーチ混むからさ。珊瑚礁で待ってる。
珊瑚礁ね?わかった!
スチル
え〜……ウェハースとスタッフドオリーブとモヤシとそば玉!買って来たよっ!
お疲れ!じゃあ次は、”トロピカル焼きそば”、上がってるから3番テーブルへ。
……ねぇ。今日誘ってくれたのって、もしかして、お店の手伝い?
考えるな。働け。話はそれからだ。で、さっさと水着に着替えてエプロンつけたら、フロアな。
うぅ……それ、どうしてもやるの?やっぱり、恥ずかしいよ。
恥ずかしくない。水着エプロンの女子高生が珊瑚礁に与える経済効果を考えろ。
佐伯くんのオヤジ!悪魔!
何とでも言え。つーか、”トロピカル焼きそば”早く。
…………。
お客「お兄さん!こっちもお願いね♡
はぁい!ただいま!トロピカル焼きそばっ!
ハーーイ!
(もう、ヤケだ!)

カゲの努力

(発生時期:冬/平日 好感度条件:友好以上 発生条件:好感度条件を満たす/バイトのない日)

教室
(当番だから早めに来たけど、ちょっと早すぎたかな。一番乗りかも……ん?)
(佐伯くん、だよね?勉強かな……あれ?)
スチル
(メガネかけてる!!わぁ、珍しい……。)
(ちょっと不思議……ほんとにほんとの素顔って感じがする。)
アッ!
ん?
教室
おまえさ、黙って見てんなよな。趣味悪いぞ。
ゴメン!……でも、どうしたの?こんなに早く。
昨日の夜、仕入れのチェックが多くて、授業の予習ができなかったんだ。店にいると、つい仕事しちゃうし。
そっか……大変だね、お店と学校の両立。
べつに。勝手にやってることだし。
あ、そうだ。ねぇ、メガネ持ってたんだね?びっくりしちゃった。
目、悪い奴はフツー持ってるだろ?本読む時はこっちのが楽なんだ。
でも普段はコンタクトなんだ。どうして?
だって……なんかカッコ悪いじゃん。メガネ。
そうかな?結構、似合ってたよ?
似合ってないんだ!あぁ、もう、あっち行けよ!みんなが来る前に終わらせんだから!
ハイハイ!お邪魔しました。
(そっか、佐伯くん、人の見てないところでこんなに努力してるんだな……)

子供の気分で

(発生時期:夏 好感度条件:好き以上 発生条件:海水浴場でデートする)

なぁ、ちょっとここから歩くけど、入り江の岩場まで行かないか?潜るのにいいところがあるんだ。
いいよ!行こう!
スチル
佐伯くん!
ハァハァ……なんだ?おまえ、もう泳がないの?
うん、ちょっと水が冷たくなってきたし。佐伯くんも、もう上がったら?
もうちょっといいだろ?ここ、久しぶりなんだ。
小学生の頃はさ、じいさんとここでよく潜ったんだぜ!
サザエとかトコブシとか獲れるんだ!
へぇー……あっ!でも、勝手に海のものを獲っちゃダメなんでしょ?
そう!組合の人に見つかって、一緒にめちゃくちゃ怒られた!アハハッ!
アハハって。悪いなぁ、二人とも!
うちのじいさん、ああ見えて前は結構ワイルドだったんだぜ?
このあたり全然かわってないよ……。
でも、日も落ちてきたし、いい加減に上がらないと、風邪ひくよ?
お願い!あと、もう1回だけっ!なっ?……オッ!?
佐伯くん!?行っちゃった……。
(ハァ……佐伯くんて、海に入ると子供みたいになっちゃうんだから。)
(ずいぶん長いな……。)
(ちょっと長すぎるような……ハッ!もしかして!?どうしよう……。)
プハァ!!ハァ、ハァ……ハァ……やっぱり、海がいいな。
佐伯くん!!もうっ!溺れたかと思ったよ!
ハァ、ハァ……ごめんっ!お土産獲ってきた!ホラッ!
ワッ!……な、なに?
タコっ!
ぎゃあ!!
アハハッ!!

ガラス細工がお気に入り

(発生時期:修学旅行の3日目 好感度条件:好き以上/好感度が最も高い 発生条件:自由行動で一緒に行動する)

修学旅行
ん?あれ、あそこ。もしかしたら古道具屋かな?
古道具屋?
そう。時間、まだ大丈夫だな。来いよ。
あ、待ってよ!
スチル
きれいな時計だね……。
ああ、ガラス時計って言うんだ。大正とか昭和初期によく作られて、古道具屋なら大抵いくつか置いてる。
へぇ……さすが、物知りだね。
まぁな。じいさんの受け売りだけどな。一緒に集めてたんだ。
子供の頃、家族で旅行すると、いつもじいさんに付き合わされて、古道具屋、物色してさ──
佐伯くんは、本当におじいさんと仲いいんだね?
べつに、そうでもないけど……でも、ここは多いな。大当たりだ。
ふふ、よかったね。
あ、これ、青いやつ、人魚のレリーフだ。
おっそれいいな。わかってるじゃん。
?本当だ、可愛い。
俺、こうして青とか緑のガラスに囲まれていると、なんだか海の底にいるみたいな不思議な気分になるんだ。
うん……わかるような気がする。
ホントかよ?
ホントだよ!
そっか。なんかいいな、そういう感覚、同じなのって。
そうだね。
プッ……
なぁに?
いや、ちょっと……歪んだガラス越しにおまえの顔見たら……変なの。
あ、ヒドイ!
ロビー
はぁ、やっと着いたか。……でも、なんかさ、素直に楽しかった。
うん、わたしも。誘ってくれてありがとう。
なあ……明後日のもう1日の自由行動、また、一緒に回ろうな?
うん。一緒にまわろう。
ああ。楽しみにしてる。

学園演劇

(発生時期:3年目の文化祭 好感度条件:友好以上/好感度が最も高い 発生条件:文化祭で学園演劇を選択/準備に成功)

学園演劇
(う〜、緊張するなぁ……。)
☆☆。
佐伯くん……。
顔、真っ青だぞ?緊張してるだろ?
う、うん……佐伯くんは大丈夫?
実は、さっきまでちょっとな。でも、おまえの顔見たら、なんだかホッとした。
佐伯くん……。
「これより、羽ヶ崎学園、学園演劇を開演いたします。
よし、俺は大丈夫!もっとトチりそうな奴がいるから!行くぞ!
もうっ!
スチル
あなたの瞳は夜の海のようです。引き込まれてしまいそうだ。
私と踊っていただけませんか?
(わぁ……佐伯くんって、こういう衣装が良く似合うな。本物の役者さんみたい。)
なぜ何も答えてくれないのです?ワルツはお嫌いですか?それとも、私が?
(”いいえ”と、切なそうに首をふる、と。)
それなら、どうか!さぁ、私にエスコートさせてください!
(喋らないのって難しい……嬉しいのに声が出ない人魚姫も、きっと切なかったろうな……)
…………。
(あれ?どうしちゃったんだろう?佐伯くん。急に硬くなっちゃったみたい。)
なんだよ。台詞忘れるだろ。
ねえ、もしかして緊張してる?
ま、まあな。
珍しい……痛っ!佐伯くん、脚踏んだ。
しょうがないだろ?ワルツなんて言われたって、簡単にできっこないんだ。
それにしても王子様なんだから、もうちょっと、こう──痛っ!また、踏んだよ?
痛っ!踏み返すか普通?
人魚のクセに足があるのがいけないんだ。いやならさっさと海に帰れよ。
ひどい……。
……ゴメン。
子供の頃からダメなんだ、こういう、リズム感みたいの……フォークダンスが精一杯だよ。
だから、ダンスがあるって知って、王子役、断りたかったんだけど……
……?
しょうがないだろ。おまえが人魚姫なんかに選ばれるから。
なんか、おまえが他のヤツと踊るのかと思うと、腹立つし……。
(佐伯くん……。)
ゴメン……機嫌なおせよ。
ふぅん。
……なんだよ?
佐伯くんって、けっこうヤキモチ妬きなんだね?
ち、違っ!俺はただ、その──
痛っ!また踏んだ!
今のはワザとだ。
学園演劇
演劇で主役になれたし、いい思い出になったな……。

深夜のサンタクロース

(発生時期:3年目のクリスマスイブ 好感度条件:好き以上/好感度が最も高い 発生条件:好感度条件を満たす/珊瑚礁でバイトをしていない)

クリスマス合宿
ん……電話……?
もしもし?俺。
……佐伯くん!?どうしたの?
寝てたか?
寝てるよ!だって、今……4時だよ!?
そっか。まあ、いいや。窓、開けてバルコニーに出て。
???どうして?
どうしてもだ。早く。
ウゥ〜、寒いっ!もう、なんなの……。
スチル
ヨッ、と!
……!?
オッス。
佐伯くん!どうしたの!?泥棒かと思ったよ!
クリスマスだぜ?サンタに決まってるだろ?
…………。
玄関が閉まってたんだ。それに、こういうドラマっぽいの一度やってみたかったし。
もう。どうしてこう、いちいちやることが極端かなぁ……。
ブツブツ言うな。わざわざ、プレゼント持ってきてやったんだぞ?
そうだったんだ……ありがとう。
うん……。メリークリスマス。
メリークリスマス。……ごめんね。わたし、プレゼント持ってない。
いいよ。顔見れたから、それで勘弁してやる。
……なんだか、佐伯くん、今日はいつもより優しいね。
そうかな?
それに……元気ないみたい。昼間は、お店が忙しいんだって、あんなにはりきってたのに。
ああ、店、な。……うん。
……?珊瑚礁で、何かあった?
今夜で、閉店になったんだ。
エッ!?だって、そんな急に……。
うん。……けど、じいさんは、もう、ずいぶん前から決めてたんだって。
でも!佐伯くん、珊瑚礁のために今まであんなに──
大きな声だすなよ。みんな起きるだろ?大丈夫。俺、思ったより平気だ。
佐伯くん……。
もう行くよ。タクシー待たせてるんだ。……おやすみ。
(佐伯くん。平気だなんて、そんなハズ無いのに……)

ここにいてくれて、良かった

(発生時期:3年目のクリスマスイブ 好感度条件:好き以上/好感度が最も高い 発生条件:好感度条件を満たす/珊瑚礁でバイトをしている)

クリスマスパーティ
(パーティー盛り上がってるな!やっぱり佐伯くんも来ればよかったのに。)
(きっと今頃、お店の中を飛び回ってるんだろうな。……ちょっと、電話してみよう!)
もしもし?佐伯くん?メリークリスマス!
ん?ああ、おまえか。
どう?お店の方は大繁盛?
え?いや、あ……うん……。
……どうかした?なんか、おかしいよ?
どうもしないって。こっちのことはいいから。……じゃあ。
あ、佐伯くん!
(何かあったのかも。佐伯くん、強がりだから……今ならまだ電車もあるし……よし!)
先生、すみません!わたし、急用ができて──
珊瑚礁
(フゥ……間に合った!まだお店開いてるみたい!)
(……あれ?でも、なんか静かだな……。)
だって、じいちゃんだって、あんなにがんばってたじゃないか!そんなの納得できないよ!
(佐伯くん?)
「とにかく、もう決めたことだ。この店は今夜でおしまい。あきらめなさい。
(お店を……そんな……)
!!
あ、佐伯くん!!
「やあ。どうしたんですか、こんな夜更けに……
佐伯くんに電話したら、ちょっと様子がおかしかったから、それで……
「ありがとう。瑛の奴を心配して来てくれたんだね。
お店、閉めちゃうんですか?
「聞いていたんですか。……そう、今日で珊瑚礁は閉店です。
でも急に、どうして……
「年寄りのわがままです……。これまで一生懸命店を助けてくれた、瑛にもあなたにも、すまないと思うけど。
でもそれじゃ佐伯くんは、納得できないんじゃ……。
「ああ、そうだね……こんなこと頼めた義理じゃないけど、ちょっと、瑛を見てやってくれないか。
「甘え方を知らないだけで、本当は、そんなに強い奴じゃないんです。
「店は、僕が閉めておくから。
はい。

佐伯くん。
…………。
ねぇ、佐伯くん。
……なに?
大丈夫?何かできることがあったら──
べつに、平気。
でも、あんまり平気には見えないけど……。
じゃあ……膝。
膝?
膝、貸して。
スチル
いい気持ち。
……うん。良かった。
俺、わかってたよ。気づかない振りしてたんだ。
……?
口に出しては言わないけど、じいさん、俺がいっぱいいっぱいなの見かねてたんだ。それで……。
(そうだったんだ……)
なあ……俺、できること全部、やれたのかな?
佐伯くんは、がんばったよ。
そうか。……もうちょっと。
ん?
もうちょっと、このまま。少し……疲れたんだ。
いいよ。ゆっくり休んで。
うん……メリークリスマス。おまえがここに居てくれて、よかった。
あったかい……。
(メリークリスマス。佐伯くん……)

君に見せたかった景色

(発生時期:3年目12月25日 好感度条件:好き以上 発生条件:「ここにいてくれて、良かった」を見ている)

佐伯の部屋
(う〜ん……ん?)
(あれ?毛布がかかってる……そっか、わたし寝ちゃったんだ。)
(佐伯くん、どこだろう?)
おはよう。
佐伯くん!お、おはよう……わたし、寝ちゃって──
ああ、うん、その……言っとくけど!俺、変なことしてないから……。
う、うん……。
それで……あのさ。そこに俺のジャージ置いといたから、着替えろよ。
ジャージ?どうして?
見せたいものがあるんだ。海に入るんだよ。
ええ!?海って……だって今12月だよ!?だいいち水着もないし──
平気。ドライスーツ貸してやるから。ジャージの上から着れば濡れないし、寒くないよ。
でも……。
急げよ、時間が無いんだ。
スチル
ウゥ……佐伯くん!やっぱり寒いよっ!!
あたりまえだろ?何月だと思ってんだよ。
騙された……。ねぇ、見せたいものって?暗くてあたりが良く見えないよ。
ちょっと待てよ。もう少しだから……。
わぁ……太陽が水平線から昇ってく……。
ああ。こうして海に浮かんで見ると、まるで別の星の夜明けみたいだろ?
そうだね……不思議な感じがする。
何度見ても不思議で、きれいだ。だから、どうしても一度、おまえと一緒に見ておきたかった。
ありがとう。寒い思いした甲斐があったかも。海もキラキラしてきれい。
くっついてろ。ちょっとは温かいから。
俺、この時間の海が好きだよ。穏やかで、神秘的で……人魚に会えそうな気がする。
……人魚に?
ああ……。
(佐伯くん、もしかして……)
そろそろ戻ろう。コーヒー飲みたくなった。
うん!佐伯くんのコーヒー飲むの、久しぶり!
甘い。俺、もうバリスタじゃないんだぜ?たまには、おまえが淹れろ。
(……良かった。いつもの佐伯くんに戻ったみたい。)
ほら、しっかり捕まってろ!ボヤっとしてると、落っことすぞ?
ワッ!
良かった。おまえと見られて……。

別れのとき

(発生時期:3年目1月31日 好感度条件:好き以上 発生条件:「深夜のサンタクロース」「ここにいてくれて、良かった」を見ている)

自室
もしもし?なあ、これから出てこれないか?
今から?う〜ん……いいよ。今どこ?
防波堤のとこ。急で悪いけど、あんまり時間が無いんだ。
うん、わかったけど……佐伯くん、どうかした?
話がある。……じゃあ、待ってる。
(どうしたんだろう……)
スチル
お待たせ!
ゴメン、急に呼び出して。
ううん。それより、話って?
俺さ……戻ることにしたよ、家に。親のところに。
でも、たしか佐伯くんのお家は……
ああ、遠いよ、ここからは。だからさっき、ちょっと早めに卒業証書もらってきたんだ。
卒業証書って、それじゃあ……
向こうで浪人して、親が薦める大学に行くよ。
珊瑚礁は、あきらめちゃうの?
ああ、もともと無理だったんだ。これ以上駄々こねても、みっともないだけだ。
みっともないなんて……、あんなに必死にがんばってたのに。
意地はってただけだよ。独りじゃ何も出来ない子供のくせに。そろそろ、大人にならなきゃ。
そんなこと言うの、佐伯くんらしくないよ。
……じゃあ、じゃあ、俺らしいってどんなだ?おまえは俺の何を知ってる?
知ってるよ。ずっと、一緒にいたもん。
…………。
学校ではいい子で通してるけど、ホントはちょっと乱暴で、皮肉屋で……
でも、海や、珊瑚礁や、おじいさんのことを話す時は、とっても優しい目になって──
そっちがウソだとしたら?
えっ?
学校の俺が本当で、おまえと過ごしてた俺が、全部ウソかも知れない。
……ふたりで一緒に笑ったり、ときどきは、ケンカもしたけど……そういうことも、全部?
ああ……酷いもんだろ?
そんな……
だから、忘れて欲しい。珊瑚礁のことも……俺のことも。
そんなの、無理だよ……。
頼むよ、耐えられないんだ。これ以上、情けない俺をおまえに見られるのは……
佐伯くん……。
人魚と若者はさ……出会うべきじゃなかったんだ。
そうすれば悲しい物語なんて、無くてすんだんだ。
……さよなら。
(佐伯くんが行っちゃった……。もう、会えないんだ)

見てられないよ……

(発生時期:3年目12月19日まで 好感度条件:親友(愛情)状態 発生条件:珊瑚礁でバイトをしている/「片想いについての質問をした次のバイトの日)

珊瑚礁
……おい。
え?あ、ゴメン……なんだっけ?
もう上がれって言ったんだ。いい時間だぞ?あと、やっとくから。
うん、じゃあ、ここ片付けたら。
いいよ。上の空で皿割られちゃ、かなわない。
大丈夫、すぐ終わるから──あ!
やってくれたよ……。
ゴメンなさい……。
ほら、代われよ。
いいよ、自分で片付ける。
いいから。
あ……。
スチル
佐伯くん……。
見てられないよ……おまえさ、そんなタフじゃないだろ。
ゴメン、今日はちょっと、疲れてるのかも。
そうじゃない……。
……え?
おまえのこんな顔、見ることになるって知ってたら、俺は、引かなかったんだ。
辛いならさ、もう、やめちゃえよ……。
…………。
ゴメン、フェアじゃなかった。余裕、無いんだな……俺も。
(佐伯くん……)